宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)
オーロラ(衛星) (NICT)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙天気日報
宇宙天気臨時情報
NICT宇宙天気情報センター
宇宙環境計測グループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 7/16 08:46 高速風は続いていますが、速度は500km/秒に下がりました。磁気圏は穏やかです。
2007/ 7/17 07:06 太陽風の速度は下がり続けています(450km/秒)。コロナホールが太陽の中心に達しています。
2007/ 7/18 09:41 太陽風は通常の状態に戻っています(380km/秒)。これから次の高速風がやって来るでしょう。
2007/ 7/19 10:05 低速の太陽風のため(320km/秒)、磁気圏はとても穏やかです。コロナホールの影響が始まりそうです。
2007/ 7/20 09:48 低速の太陽風が続いています。コロナホールの影響はまだ見られません。
最新のニュース

2007/ 7/21 10:35 更新
高速の太陽風がやって来ました(480km/秒)。南向き磁場の影響で、活発なオーロラ活動も発生しています。

担当 篠原

昨日のお昼くらいから、太陽風に乱れが発生しています。
ACE衛星の観測によると、
20日12時(世界時20日3時)から太陽風の磁場強度が強まり始め、
20日14時半(世界時20日5時半)に10nTに達しました。

それとともに、南北成分が大きく南を向く様になり、
-5nTから-10nTに達する規模で、10時間にわたって磁気圏への影響を強めました。
シベリアの磁場データでは、右側の1日分ほどで活発な変動が観測されています。
AE指数では、500〜900nTくらいの中規模のオーロラ活動が記録されています。

沖縄の磁場データを見ると、静穏レベルから-70nT近い磁場の減少を記録しています。
弱い磁気嵐状態になっていたようです。
ただし、変動の大きさを世界規模で調べると、
平均は-30nT程度で(Dst指数)、擾乱の規模は小さいものでした。

南向き磁場の変動としては、なかなかの規模だったのですが、
この頃はまだ太陽風の速度が400km/秒以下と遅く、
磁気圏へ流れ込むエネルギーの量がそれほど大きくはなりませんでした。
そのため、磁気圏の変動も比較的小さな規模にとどまったのです。


磁場強度の強まりによる磁気圏擾乱に続く様に、太陽風の速度が上昇を始めています。
現在、480km/秒付近で落ち着いています。
速度としては、普通の高速風というところでしょうか。

一方、磁場強度は既に下がり始めていて、5nTを前後しています。
このため、高速風は最高速の領域に達しつつあると思われます。
今後は、現状程度の太陽風が、明日にかけて続くのではないでしょうか。
SOHO EIT 284では、発生源のコロナホールは西へ去りつつあります。

この写真で太陽の東側(左側)に目をやると、
次のコロナホールが縦に細長く見えています。
明日くらいになると、もう少し見やすくなります。
5〜6日後くらいに、次はこちらの影響がやってくるでしょう。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏擾乱によって大きく数を減らしています。
今後、増加に転じると思われますが、高速風の規模から考えると、
大きな上昇はないだろうと思います。

963黒点群が沈んで、太陽は無黒点になりました。
フレア活動はとても静かです。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。