宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 7/25 09:56 穏やかな宇宙天気が続いています。太陽風は低速(320km/秒)。無黒点が続いています。
2007/ 7/26 10:01 低速の太陽風が続き、磁気圏はとても穏やかです。これから高速風が始まると思われます。
2007/ 7/27 10:13 太陽風に乱れがやってきました。やや高速になっています(450km/秒)。
2007/ 7/28 12:12 太陽風の速度は下がり、通常の状態に戻りました。次のコロナホールが太陽の中心に来ています。
2007/ 7/29 10:50 太陽風に変化が見られ、高速風がやって来そうです。小さな黒点が出現しています。
最新のニュース

2007/ 7/30 10:15 更新
高速の太陽風がやって来ました(550〜600km/秒)。オーロラ活動が続いています。

担当 篠原

高速の太陽風がやって来ました。
昨日のニュースの後、太陽風の速度はゆっくりと上がり続け、
半日ほど経過した昨夜、29日23時(世界時29日14時)に500km/秒になりました。

そこで急に上昇のペースが速くなり、
1時間後の30日0時(世界時29日15時)に600km/秒に達しました。
それから10時間ほど経過していますが、
現在も、550〜600km/秒の高速の太陽風が続いています。

速度の上昇が本格化するとともに、
太陽風の磁場強度、プラズマ密度は減少して行きました。
磁場強度は10nTから4nTに弱まり、密度は30個/cm^3から3個/cm^3程度に減少しています。
これらの様子から、高速風は既に最高速の領域に達していると思われます。


高速風の影響で、磁気圏ではオーロラ活動が活発化しています。
ただし、太陽風磁場の南北成分は北寄り(プラス側)に偏っていて、
磁気圏へのエネルギーの流れ込みはそれほど大きくないようです。
オーロラ活動は比較的小規模にとどまっています。

AE指数では500nT前後の活動が続いています。
その様子はシベリアの磁場データでも見られ、
小幅の変化が途絶えること無く続いています。


27日周期の図を見てください。
今回、高速風の到来は一日半程度早まりました。
磁場強度の乱れ方や、最高速度への上がり方などは、前周期と似ています。

今日はSTEREOの太陽写真を掲載していますが、
高速風の発生源であるコロナホールは、東西に長く広がり、
最後尾(左端)はまだ太陽の中心付近にあります。
このため、前周期と違って、高速風の継続期間はもっと長くなるのではないでしょうか。
コロナホールの広がりから見て、これから4日程度続く可能性もあると思います。

27日周期の図で、前周期との違いを見比べながら今後の変化を追ってみてください。
速度が再上昇したりなど、細かい変化が見られるかもしれません。


放射線帯の高エネルギー電子は、
太陽風の乱れに伴って、大きく減少しています。
今後、増加に転じると思われますので、明日以降の変化に注目してください。

太陽のフレア活動は穏やかです。
965黒点群が小さく太陽の中心付近に見えていますが、静かな領域です。



STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。7月30日6時(世界時7月29日21時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。