宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 9/ 2 11:09 太陽風の速度がゆっくりと上昇し、高速風になっています。オーロラも活発化しつつあります。
2007/ 9/ 3 10:22 太陽風は600km/秒台の高速風になっています。かなり活発なオーロラ活動も見られています。
2007/ 9/ 4 10:10 太陽風の速度がたいへん高くなっています(670km/秒)。オーロラも活動的です。
2007/ 9/ 5 10:21 やや速度が下がりましたが(550km/秒)、高速の太陽風が続いています。
2007/ 9/ 6 10:19 太陽風の速度は下がり続けています(450km/秒)。オーロラが活発です。
最新のニュース

2007/ 9/ 7 10:17 更新
太陽風の速度が再上昇して、高速風になっています。オーロラも活動的です。

担当 篠原

今朝になって、太陽風の速度が上昇を始めました。
太陽風は、速度が420km/秒くらいまで下がっていましたが、
現在は、550km/秒まで上昇しています。

高速風がやってくるのが、思ったよりも遅かったという印象です。
SOHO EIT284の太陽写真(左の写真)では、
コロナホールは影響開始の目安の位置を大きく通り過ぎて、
コロナホールそのものがほとんど見えなくなっていますし、
27日周期の図で見ても、前回よりも半日程度遅れて回帰しています。

今回の高速風は、それほど大きなものにはならないでしょう。
磁場強度と密度がまだ下がっていないので、
速度としてはもうしばらく上がるかもしれませんが、
継続期間はそれほどでもなく、明日にはもう下がり始めるだろうと思います。


速度が上がる頃から、太陽風磁場が南寄りになり、
-5nTくらいの南向きが続いています。
このため、500〜1000nTくらいの中規模のオーロラ活動が断続的に発生しています。
シベリアの磁場データもにぎやかに変化しています。
南北成分の南寄り傾向が続く間は、引き続き活発なオーロラが期待できます。


今後の予想ですが、SOHO EIT284を見ると、
太陽は全体的にのっぺりとしていて、
黒点もコロナホールも見られない状態になっています。
現在の高速風が終わると、
かなり長い期間(2週間程度)たいへん穏やかな状態が続きそうです。

27日周期の図を見ると、前周期の8月15日に小さな太陽風の乱れが来ていました。
この頃の、SOHO EIT284の写真を見てください(右の写真)。
太陽の南東(左下)に、小さなコロナホールが見えています。
このコロナホールが、8月15日以降の乱れの原因です。

しかし、現在の太陽(左の写真)には、コロナホールが全くなくなっています。
8月15日の高速風は、6月以降次第に弱まる傾向が見られました。
今周期は、もうほとんど影響がないのかもしれません。
現在、太陽活動は極小を迎えていますが、
高速風の周期性にも大きな変化が見られているように感じます。


放射線帯の高エネルギー電子は、磁気圏活動によって大きく数を減らしています。
この後、再上昇すると思いますが、警戒レベルまで上がるかどうかは分かりません。
今後の変化に注目してください。

太陽のフレア活動はとても穏やかです。
970黒点群は、西側に没しつつあります。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

9/ 6 13:06 UT

8/10 13:06 UT


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。