宇宙天気 2007/ 3/24

宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ

27日周期 (NICT)

短期・太陽風・電子

太陽黒点 (SOHO)

太陽X線 (GOES)

活動領域 (NASA)

EIT284 (SOHO)

EIT195 (SOHO)

情報ページ

Space Environment Center

これまでの経過 (過去のニュースの全リスト): 2007/ 3/19 11:09　太陽風は通常の速度に戻りつつあります。磁気圏は概ね穏やかです。; 2007/ 3/20 10:44　太陽風の速度は下がり(340km/秒)、低速風になっています。宇宙天気は全般的に穏やかです。; 2007/ 3/21 09:45　太陽風はかなり低速になっています(310km/秒)。磁気圏も穏やかです。; 2007/ 3/22 10:43　太陽風はとても低速で(280km/秒)、磁気圏も穏やかです。「ひので」が皆既日食を観測したそうです。; 2007/ 3/23 10:04　たいへん低速の太陽風になっています(250〜260km/秒)。明日くらいから、高速の太陽風が来るでしょう。; 最新のニュース

2007/ 3/24 12:07　更新
太陽風磁場が強まり、オーロラ活動が活発になっています。これから高速風がやってきます。

担当　篠原

太陽風に変化が始まっています。
昨日のお昼頃から太陽風の磁場強度が強まり、5nTを超える様になりました。
それから現在まで、5nTと10nTの間で強まったまま変化しています。
27日周期の図の青線を見ると、磁場強度の強まりがよく分かります。
これからやってくる高速太陽風の前触れにあたる変化だと思います。

昨日のニュースで、太陽風磁場の南北成分の南寄りの傾向が続いていると
お知らせしましたが、
磁場強度が強まった後も、その傾向は変わらず、
-7nTレベルの強めの南向き磁場が、連続的に現れています。

このため、磁気圏にエネルギーが流れ込みやすくなり、
オーロラ活動が活発化しています。
AE指数では、500nTを超える中規模の変動が度々観測されています。

ただし、昨日から現在にかけて太陽風の速度は300km/秒台の低速状態です。
太陽風磁場の南向きが強まっても、
速度が遅いので大きなエネルギーの流れ込みにはなりませんでした。
もし、高速になっていれば、更に激しい磁気圏活動が見られたことでしょう。

太陽風の速度はまだ低速ですが、上昇の変化は始まっています。
今日のACEの図では、320km/秒から380km/秒へと上がっています。
引き続き上昇し、高速風が始まるでしょう。
その発生源であるコロナホールは、
SOHO EIT284の写真で、太陽の西側半分の場所にほぼ達しています。

速度が高速状態になった時にも、太陽風磁場の南向き傾向が続いていれば、
かなり活発なオーロラ活動が見られたり、磁気嵐が発生することになるでしょう。
高速風は3〜4日程度続くと思われます。

磁気圏活動に伴って、放射線帯の高エネルギー電子は大きく減少しています。
高速風の中盤から再び上昇が見られると思いますので、
明後日以降は注目する必要があります。

太陽では、西の端(右端)近くに小さな黒点が現れています。
947黒点群と番号が付けられています。
掲載している写真でも見えますが、とても小さく、
目を凝らさないと気がつかないでしょう。
X線のグラフで目立った活動は見られず、太陽のフレア活動は穏やかです。

SOHO衛星のEIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)