宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 3/ 7 11:29 高速太陽風がやって来ました(580km/秒)。オーロラも活動的になっています。
2007/ 3/ 8 11:41 600km/秒を超える高速太陽風になりました。現在は、速度は低下に向かっています。
2007/ 3/ 9 10:10 太陽風は低速になりつつあります(370km/秒)。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。
2007/ 3/10 19:27 太陽風磁場の南向きが1日にわたって続いています。低速のため、磁気圏は概ね穏やかです。
2007/ 3/11 08:49 太陽風は低速(320km/秒)で、磁気圏は概ね静穏です。コロナホールが太陽の中心部を通過しています。
最新のニュース

2007/ 3/12 10:37 更新
太陽風の磁場強度が強まっています。高速太陽風がこれからやって来ます。

担当 篠原

太陽風の磁場強度(ACEの白線)が、10nTへ強まっています。
高速太陽風の始まりだと思われます。
速度(黄色線)もゆっくりと変化を見せています。
300km/秒の低速から、現在は420km/秒の通常の速度へ回復しています。

27日周期の図を見ると、概ね前周期(2月12日)と同様の変化が見られています。
磁場強度が強まり、セクターが切り替わり、速度が変化を始めています。
これからやって来る高速太陽風の発生源のコロナホールは、
STEREOのEUVI195写真で、太陽の真ん中南寄りに大きく見えています。
この様子では、高速風帯の規模は前回より大きくなっているかもしれません。


磁場強度が強まったため、
磁場が南に大きく向く(赤線がマイナスになる)時間帯が見られています。
ACEの図では、-10nTくらいと、-5nTくらいの変化が、それぞれ見えています。
その影響で、オーロラ活動が強められました。
それぞれの南向きに対応するように、
600nTクラスの中規模の変動が2回、AE指数に見えています。
ある程度にぎやかなオーロラ活動が極域で見られた事でしょう。

これから、速度が上昇を始めると、オーロラ活動が強められやすくなります。
最終的には、太陽風の磁場が南を向かなければスイッチが入りませんので、
太陽風の磁場の南北成分(ACEの赤線)の変化にも注目してください。


磁気圏の活動に対応して、放射線帯の高エネルギー電子は一気に減少しています。
高速風の中盤に、再び増加を始めると思われますので、
明後日以降は再び注意が必要となるでしょう。

太陽写真では、946黒点群の小さな姿が見えています。
X線では、たいへん小さな規模の変動が見えていますが、
これ以上活発になる事はなさそうです。




STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。12日1時(世界時11日16時)
(c) NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。