宇宙天気 2007/ 3/11

宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ

27日周期 (NICT)

短期・太陽風・電子

太陽黒点 (SOHO)

太陽X線 (GOES)

活動領域 (NASA)

EIT284 (SOHO)

EIT195 (SOHO)

情報ページ

Space Environment Center

これまでの経過 (過去のニュースの全リスト): 2007/ 3/ 6 11:17　太陽風の速度は通常のレベルです(400km/秒)。磁場強度が強まっており、速度が上昇するかもしれません。; 2007/ 3/ 7 11:29　高速太陽風がやって来ました(580km/秒)。オーロラも活動的になっています。; 2007/ 3/ 8 11:41　600km/秒を超える高速太陽風になりました。現在は、速度は低下に向かっています。; 2007/ 3/ 9 10:10　太陽風は低速になりつつあります(370km/秒)。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。; 2007/ 3/10 19:27　太陽風磁場の南向きが1日にわたって続いています。低速のため、磁気圏は概ね穏やかです。; 最新のニュース

2007/ 3/11 08:49　更新
太陽風は低速(320km/秒)で、磁気圏は概ね静穏です。コロナホールが太陽の中心部を通過しています。

担当　篠原

太陽風は、低速で弱い南向き磁場の状態が続いています。
速度(黄色線)はゆっくりと下がり続けていて、320km/秒まで下がっています。
一方、磁場は、強度(白線)4nTで、
-3nT前後の南向き(赤線のマイナス向き)の傾向がずっと続いています。

太陽風の磁場が南を向くと、オーロラ活動などにエネルギーが与えられるのですが、
現在は速度がかなり下がっているため、目立った変化は見られていません。
AE指数では、小規模の変化は見られている様ですが、概ね静穏です。
シベリアの磁場データでも小規模の変動は見られています。

現在の穏やかな太陽風は、明日くらいまで続くでしょう。
STEREOの太陽写真を見ると、
コロナホールが太陽の中心やや南寄りに大きな姿を見せています。
この影響が明日か明後日くらいから地球にやって来ると思われます。

太陽風の磁場強度が強まり、速度が上昇するでしょう。
磁場の南向きが強まると、オーロラが激しく活動したり、磁気嵐が発生します。
明日以降の変化に注目してください。

放射線帯の高エネルギー電子は、次第に減少しています。
間もなく警戒状態を抜け出しそうです。
赤線のGOES12は10000の線を切っています。

太陽では、946黒点群が出現したそうです。
今日掲載の黒点写真では、まだ姿を見ることができません。
ですので、規模としては小さな黒点群でしょう。
X線のグラフには、極小さな変動が見られていますが、
これが946黒点群の出現と関係しているのかもしれません。
太陽のフレア活動自体は、静穏な状態が続くと思われます。

STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。11日7時半(世界時10日22時半)
(c) NASA