宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 4/10 10:15 磁気圏活動が活発になっています。小規模の磁気嵐になっています。太陽風の速度は680km/秒に上昇しています。
2006/ 4/11 13:29 高速風領域は後半に入り、太陽風の速度は570km/秒に下がっています。放射線帯高エネルギー電子が増加しています。
2006/ 4/12 10:42 太陽風の速度は450km/秒へさがりました。磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/13 10:30 太陽風の速度は400km/秒で普通の速さです。磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/14 12:40 太陽風磁場が大きく南を向いています(-12nT)。速度が高くなっているため(550km/秒)、磁気圏が大きく乱れそうです。
最新のニュース

2006/ 4/15 08:36 更新
太陽風磁場の強い南向きの影響で、磁気圏活動がとても活発になっています。磁気嵐も発生しています。

担当 篠原

昨日のニュース以降も、太陽風磁場の強い南向きが長い時間続き、
磁気圏は大きく乱れました。
現在はだいぶ落ち着いています。

ACE衛星の観測によると、
14日9時(世界時14日0時)頃から大きく南を向き始めた太陽風磁場は、
3時間後に-15nTに達し、強い南向きが7時間続きました。
その後、南向きは一旦弱まりましたが、
14日23時(世界時14日14時)頃からは、
-5nTの安定した南向きが6時間にわたって続いています。
この間、太陽風は500〜550km/秒の高速状態でした。

この太陽風の影響で、磁気圏の活動がたいへん活発になりました。
AE指数では、1000nT規模の活動が連続的に発生し、
最大で1500nTを越える激しい変動が観測されています。
(シベリアも大きく乱れています)
また、沖縄の磁場データでは、磁場強度が静穏レベルより-170nTも下がっています。
地球を囲んで流れる環電流が急激に発達した事を示しています。
世界的な観測では、Dst指数は-120nTに達しており、
中規模の磁気嵐となっています。

ただ、印象としては、強い南向き磁場が長時間続いた割に、
磁気圏の乱れ方が控えめだった様に感じます。
高速風帯に入っていた太陽風の速度が、500km/秒を越える程度と、
それほど高まらなかったためだと思います。
600〜700km/秒の高速状態に達していた場合には、
かなり激しい活動が見られたでしょう。

現在、太陽風の磁場強度は5nTに弱まっています。
雰囲気としては、高速風はピークに達し、
これからは下がっていきそうなのですが、
SOHO EIT284の太陽写真では、コロナホールは、
まだ影響域にしっかりと残っています。
もう2〜3日くらいは影響がありそうですが、
このままの状態が続くのか、再び乱れ始めるのか、注目されます。

激しい磁気圏活動に続いて、放射線帯の高エネルギー電子が急激に増加しています。
青線のGOES10は、10の4乗の警戒ラインを一気に越え、6x10^4に達しています。
一方、赤線のGOES12は、警戒ラインにも達していません。
磁気圏が大きく乱れているために、2つのGOES衛星でずいぶん違う数値になっています。
いずれにせよ、高エネルギー電子が増加した状態が継続すると思われます。
衛星の運用などでは注意が必要です。

太陽は穏やかな状態が続いています。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。