宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 5/12 12:08 太陽のフレア活動が活発です。太陽風はやや高速状態で、乱れ気味です。
2005/ 5/13 12:28 中小規模フレアが活発に発生しています。太陽風磁場南向きの影響で、オーロラ活動が活発です。
2005/ 5/14 16:58 M8.0の中規模フレアが発生しました。地球に向かってCMEが発生しており、明日の午後以降大規模な磁気嵐やオーロラ活動が発生するでしょう。
2005/ 5/15 14:08 太陽風の衝撃波が到来しました。速度は1000km/秒近くに急上昇しています。磁気圏が大規模に乱れる可能性があります。
2005/ 5/16 11:18 昨日、非常に激しい磁気嵐が発生しました。太陽風は現在も乱れており、オーロラ活動が活発に続いています。
最新のニュース

2005/ 5/17 11:47 更新
太陽風は高速状態で、磁場の南向きが続いています。活発なオーロラ活動が続いています。

担当 篠原

今回の大磁気嵐による美しいオーロラの観測報告が、アメリカ各地から寄せられているようです。
SpaceWeather.comMay 2005 Aurora Galleryのページをご覧ください。
地図で見ると日本とアメリカはほとんど同じ緯度にあるのに、
オーロラに関しては何故こんなに見え方が違うのでしょうか。

カナダのCANOPUSグループが作成しているリアルタイムのオーロラ帯予測のページがあります。
地上の観測データを用いて、オーロラが現在発生している地域を予測するページですが、
今日の1枚目の図は、この図の一部を借りてきて、書き足したものです。
地図は地球を来たから見下ろしたものです。
この中で、北極を囲むように茶色の帯が広がっていますが、
この帯の下で現在オーロラが光っていると予測されています。
この図にあるように、オーロラは地磁気の北極点を取り囲む輪の様に分布します。
(この地図は、地磁気の緯度経度で描かれています。地理的な北極を白の×印で示しています)

今回のような大磁気嵐が発生すると、このオーロラの帯はずっと低緯度域に広がって、
いつもより広い範囲でオーロラを見ることができるようになります。
試しに、磁気緯度40度のところに緑の破線を引いてみました。
すると、アメリカ全土がすっぽりと入ってしまっています。
SpaceWeather.comにアメリカ全域から観測報告が届いていることを考えると、
今回は本当にこの規模にオーロラ帯が広がっていたと思われます。

ところが、我が日本を見ると、残念ながら完全に緑の輪の外にあります。
北海道ですら入っていません。
このように、地理的な緯度では日米は似たようなものなのですが、
オーロラに重要な地磁気の緯度で見ると、日本は圧倒的に不利な低緯度地域に属しているのです。
だからこそ、日本人はこぞってオーロラツアーに出かけるのかもしれません。

さて、太陽風は順調に低下を続けていますが、現在も550km/秒と高速の状態が続いています。
磁場強度も10nTと強い状態が続いています。
しかも、3nT程度ですが南向きがずっと、今日の図では丸一日続いています。
このため、太陽風から磁気圏にエネルギーが供給され続けていて、オーロラ活動も活発に続いています。
高速の太陽風は今日、明日にかけて続き、その後穏やかになっていくと思われます。
太陽風磁場の南向きが続いている間は、オーロラも活発に続くでしょう。

放射線帯の高エネルギー電子が急増しています。
GOES12衛星で警戒ラインの10の4乗の線を越えていて、GOES10もやがて越えそうです。
衛星の運用ではこちらに対する注意も必要になっています。

太陽では763黒点群がM,Cクラスの中・小規模フレア(太陽爆発)を起こしています。
763群に対する注意が引き続き必要です。



オーロラが見えている地域。アメリカと日本を比較すると、アメリカの方がはるかにオーロラ地帯に近い。
(c) CANOPUS, Canadian Space Agency


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。