宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CANOPUS)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙環境情報
太陽地球環境予報
太陽地球環境情報サービス
宇宙天気システムグループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 5/10 11:39 太陽風は速度も下がり、落ち着いてきました。磁気嵐も終息に向かっていますが、オーロラ活動には引き続き注意が必要です。
2005/ 5/11 13:08 太陽風の速度は450km/秒に下がっています。オーロラ活動は穏やかになっています。
2005/ 5/12 12:08 太陽のフレア活動が活発です。太陽風はやや高速状態で、乱れ気味です。
2005/ 5/13 12:28 中小規模フレアが活発に発生しています。太陽風磁場南向きの影響で、オーロラ活動が活発です。
2005/ 5/14 16:58 M8.0の中規模フレアが発生しました。地球に向かってCMEが発生しており、明日の午後以降大規模な磁気嵐やオーロラ活動が発生するでしょう。
最新のニュース

2005/ 5/15 14:08 更新
太陽風の衝撃波が到来しました。速度は1000km/秒近くに急上昇しています。磁気圏が大規模に乱れる可能性があります。
2005/ 5/15 15:47 追加 
太陽風が非常に強い南向き磁場を運んでいます。これから磁気嵐、オーロラ活動が非常に激しくなりそうです。
2005/ 5/15 18:07 追加 
磁気嵐が猛烈に発達しています。低緯度オーロラの発生につながるかもしれません。現在、太陽風磁場は北向きに切り替わっています。

担当 篠原

15日11時半(世界時15日2時半)、高速の太陽風が衝撃波となって地球磁気圏に到達しました。
太陽風の速度は1000km/秒近くに達し、密度も25個/cc(通常は数個/cc)に濃くなっています。
今後、太陽風磁場の状況によっては、大規模な磁気圏の乱れが発生する可能性があります。
今後の太陽風の変化、地上観測のデータに注目してください。

M8.0フレアのフレア発生以降増加していた太陽放射線(高エネルギーのプロトン粒子)の密度が、
更に増加して一時3000PFUに達しました(現在は1000PFUです)。
衛星に障害を発生させる可能性が高まっていますので、注意してください。
そして、この影響で太陽風監視衛星ACEの太陽風速度の観測ができなくなっています。
これは、太陽放射線が増加するとデータが得られなくなるという測定器の性質によるもので、
故障ではありません(太陽放射線が減少すると回復します)。
しかし、その間はACE衛星によって太陽風の状況を知ることが困難になります。
その代わりとして、SOHO衛星による観測データを掲載しています。
それまで450km/秒前後だった太陽風の速度が、15日11時(世界時15日2時)頃に急激に増加している様子が分かります。

この高速太陽風の到来の影響が、地上の磁場データにも現れています。
沖縄の磁場データをご覧ください。
図の最後の部分で、赤線が50nT程度急激に増加しているのが見られます。
これは、衝撃波によって地球の磁気圏が急激な圧縮を受け、
磁気圏内の磁場強度が急に強まったことを示しています。

ACE衛星のデータを見ると、太陽風の磁場にも大きな乱れが発生しているようです。
強度が初め20nTに強まり、現在は15nT前後で変化しているようです。
変化が激しいのか、データが散ったようにプロットされていて分かりにくいのですが、
赤線を見ると、概ね北寄りに推移しており、時々-5nT程度の南向き成分が発生しているようです。

オーロラの活動度を示すAE指数のグラフにも変化が発生しています。
2000nTに達する非常に大きな変化が見えています。
これは衝撃波の最初の部分の影響で、北極域に大きなオーロラ電流が発生したことを示しています。

今後は、太陽風の磁場がどの程度南を向くかが、磁気圏擾乱の程度を決めることになります。
速度は現在も800km/秒程度の非常に高速の状態が続いているようです。
ここで、大きな南向きが発生したり、長時間南向きが続くようだと、
強い磁気嵐が発達したり、激しいオーロラ活動が続くことになります。
逆に、北向きの状態が続くと、高速風のわりに、磁気圏は穏やかな状態にとどまるでしょう。
これから1日程度、太陽風の速度と磁場南北成分の変化に注目してください。

太陽では、758黒点群が西端の向こう側に行ってしまいました。
この没した758群がCクラスの小規模フレアを起こしています
(実際には、もっと規模の大きなフレアでしょう)。
その他の群はやや落ち着いています。
しかし、759群など黒点群の規模は保たれており、今後も中規模フレアへの注意が必要です。

2005/ 5/15 15:47 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
太陽放射線のレベルが下がり、ACE衛星の太陽風観測が回復しています。
最新データによると、現在の速度は900km/秒と非常に高速です。

15日14時半(世界時15日5時半)から、太陽風磁場が強度50nTと非常に強まっています。
しかも、-40nTととても強い南向き成分をもたらしています(最新部分は-20nTです)。
このため、これから磁気嵐が発達し、オーロラ活動が急激に活発化するでしょう。
この後、南向きが短時間で終われば、磁気圏の変化も一時的なもので終わりますが、
このまま長時間南向きが続くと、それに従って、磁気圏の活動もより大規模なものになります。
今後の太陽風の変化に注意してください。

オーロラ活動の程度を見るためには、AE指数のグラフをご覧ください。
磁気嵐は沖縄の磁場データをご覧ください。
グラフの赤線が、下へ下がるほど磁気嵐が発達していることを示します。
現在は、太陽風の強まりの影響で上に上がった状態で、まだ磁気嵐の発達は見られていません。

2005/ 5/15 18:07 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
太陽風の強い南向き磁場の影響で、磁気嵐が急激かつ猛烈に発達しています。
沖縄の磁場データを見ると、2時間足らずの間に-350nTに達する磁場強度の低下が発生しています。
このグラフが下がるほど、磁気嵐が発達していることを示していますが、
-350nTというのは非常に激しい変化です。

このデータは沖縄だけの、局地的な観測結果ですので、
正確な磁気嵐の発達状況は世界中の広いデータをまとめなければ分かりません。
京都大学のDst(磁気嵐の発達度を示す指数)の速報値では、現時点では-300nTの変化が観測されています。

これだけ激しい磁気嵐ですので、北海道などで低緯度オーロラが観測されるかもしれません。
極域のオーロラ活動は、既に非常に激しいものとなっています(AE指数のグラフ参照)。

ACE衛星の最新データでは、現在の太陽風磁場は北向きに切り替わっています。
このため、磁気圏へのエネルギーの流れ込みは一旦停止します。
磁気嵐の発達は止まり、極域のオーロラ活動も弱まるでしょう。
ただし、太陽風そのものは荒れており、
磁場強度は約60nTと非常に強く、速度も800km/秒と非常に高い値です。
引き続き太陽風の変化に注意が必要です。



SOHO衛星が観測した太陽風の速度。
(c) SOHO (ESA & NASA), University of Maryland


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC




2005/ 5/15 15:47 追加

ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT




2005/ 5/15 18:07 追加

沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。