宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/10/ 6 10:45 太陽風の速度は遅く、磁気圏は静かです。太陽の東端でフレア活動が続いています。
2004/10/ 7 11:25 太陽風の速度は300km/秒に下がり、磁気圏は穏やかです。太陽では小規模フレアが発生しています。
2004/10/ 8 06:35 太陽風の速度はとても遅くなっています。磁気圏は静かです。フレア活動も穏やかです。
2004/10/ 9 11:01 太陽風磁場のセクター境界を越え、磁場強度・速度に変化が現れています。磁気圏は静穏です。
2004/10/10 06:45 太陽風の速度は低下し、磁気圏は静穏です。今後、コロナホールによる高速風が来ます。
最新のニュース

2004/10/11 06:53 更新
コロナホールの影響で太陽風速度が420km/秒にやや上昇しています。磁気圏は静穏です。

担当 篠原

ACE衛星の太陽風観測によると、10日23時半(世界時10日14時半)頃、
太陽風磁場のセクター境界を越えました。
大まかに「地球から太陽方向」だった太陽風の磁場が
「太陽から地球方向」に変わっています。
セクター境界を越えると、太陽風の様子が急に変わる事があります。
今回も、太陽風の速度が急に上昇し、
380km/秒から400km/秒、そして現在は420km/秒に上がっています。
SOHO EIT284カメラの太陽画像の下寄りに暗く見えている、
コロナホールの影響が地球に及んでいると思われます。

太陽風磁場の強度も強まっていて、速度が上昇を示した頃に10nTに達しています。
現在はやや下がって7nT程度です。

420km/秒という速度は、太陽風の通常のレベルです。
磁場がやや強まっていますが、南向き成分(赤線のマイナス成分)は時々見られる程度で、
速度が特に速い状態ではないため、磁気圏の活動は穏やかなままです(AE指数参照)。

太陽風の速度はもう少し上昇するかもしれませんが、あまり大きなものではないでしょう。
磁場強度が強い間は、南向きに対応して弱いオーロラ活動が見られるかもしれません。
やがてコロナホールの影響を抜け、太陽風の速度が下がり、静穏な状態が続くでしょう。

GOES衛星のX線データを見ると、小規模のフレア活動がいくつか見られています。
これらは太陽の西の端の活動領域が起こしていたものです。
この領域は太陽の向こう側に没しつつありますので、フレア活動は今後穏やかになるでしょう。
太陽黒点はほとんど見る事ができません。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。