宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 9/10 11:16 太陽風の速度はとても遅くなっています。磁気圏は穏やかです。活動的な黒点群が見え始めました。
2004/ 9/11 11:25 太陽風は250km/秒と非常に低速です。磁気圏は穏やかです。672黒点群が見えて来ました。
2004/ 9/12 06:46 太陽風は非常に低速です。南向きが強まっているため、磁気圏が少し活動しています。フレアは穏やかです。
2004/ 9/13 10:55 太陽で中規模フレアが発生しました。15日に衝撃波が来ると予想されます。
2004/ 9/14 10:48 14日5時に太陽風の衝撃波が来ました。磁気圏はやや活発です。太陽からの高エネルギープロトンが増加しています。
最新のニュース

2004/ 9/15 11:22 更新
太陽風の速度は高速です。オーロラ活動がとても活発になっています。新しいCMEのため、衝撃波が再び到来しそうです。

担当 篠原

高速の太陽風が続いています。
ACE衛星の観測によると、速度580km/秒前後の状態が継続しています。
太陽風磁場の強度は10nTから5nTに下がりつつありますが、
-5〜-10nTの南向き成分が頻繁に現れていました。
このため、磁気圏のオーロラ活動をかなり刺激しています。
AE指数のグラフを見ると、1000nT前後の活発なオーロラ活動がほとんど連続的に現れています。
沖縄の磁場データにも、オーロラ活動による激しい上下動が現れています。
全体的なレベルがやや低下していますので、弱い磁気嵐としての発達が起きている様です。

予想されていたコロナホールの影響と相まって、高速の太陽風はもうしばらく続きそうです。
太陽風の磁場強度は次第に弱まって行くと思われますので、
それに従ってオーロラ活動も次第に低下すると予想されます。

一方、昨日、14日18時(世界時14日9時)に新しくM1.5の中規模フレアが672黒点群で発生しました。
今回も弱いですがCME(太陽ガスの放出現象)が観測されています。
直前に、太陽の裏側と思われる別のCMEが発生しているため、
LASCO C3カメラの画像ではこの様子はとても見にくくなっています。
そのため、LASCO C2カメラの画像を掲載しています。
太陽から全方位に吹き出すfull halo CMEになっている様です。

このCMEによる新たな太陽風の衝撃波が、16日の夜から17日の午前にかけて地球に届くと思われます。
再び太陽風の速度が上昇し、オーロラ活動が活発になったり、
弱いと思われますが磁気嵐が発達する可能性があります。

太陽からの高エネルギープロトンの放射は減少し、20PFU程度にまで下がりました。

この様に、太陽黒点672群はM、Cクラスの中、小規模のフレア活動を続けています。
勢力はやや強まっている様です。
地球に向かってほぼ正面に来ている事もあり、今後も注意が必要です。



SOHO衛星LASCO C2カメラによる、14日18時(世界時14日9時)のCME(太陽ガスの放出)の様子。
(c) ESA & NASA


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。