宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 9/ 8 10:44 太陽風速度は通常レベルで安定しています。磁気圏はやや活動的です。
2004/ 9/ 9 11:41 太陽風の速度が更に下がっています(370km/秒)。磁気圏は静かです。
2004/ 9/10 11:16 太陽風の速度はとても遅くなっています。磁気圏は穏やかです。活動的な黒点群が見え始めました。
2004/ 9/11 11:25 太陽風は250km/秒と非常に低速です。磁気圏は穏やかです。672黒点群が見えて来ました。
2004/ 9/12 06:46 太陽風は非常に低速です。南向きが強まっているため、磁気圏が少し活動しています。フレアは穏やかです。
最新のニュース

2004/ 9/13 10:55 更新
太陽で中規模フレアが発生しました。15日に衝撃波が来ると予想されます。

担当 篠原

昨日のニュース発行直後に、M4.8の中規模フレアが672黒点群で発生しました。
長時間に渡ってX線が増加するタイプのフレアで、この様な時は大規模なCMEが観測される傾向があります。
SOHO衛星の LASCO C3カメラの画像を掲載しています。
full halo CMEと呼ばれる、太陽全面に向かって白い高速のガスが飛び散っている様子が分かります。
黒点群の位置が東側(左側)に寄っていたため、左側により濃いガスが見られます。

このCMEによる太陽風の衝撃波が15日未明から昼にかけて地球に到来する事が予想されます。
太陽風が急に高速になり、磁気嵐が発生したり、オーロラ活動が活発になるなど、
2日程度に渡って磁気圏が大きく乱れる可能性があります。

現在の太陽風は大変低速で、300km/秒前後の様です。
速度とともに、密度もかなり減少している様で、
ACEのグラフを見ると(3列目の橙色線)、0.1/cm3を前後している様です。
観測器の測定限界に近づいている様で、速度、密度ともに誤差が大きくなって、ばらついてしまっています。

また、太陽風の磁場が強度を10nTにまで強めています。
これはコロナホールによる高速太陽風の領域が近づいているためだと思われます。
通常であれば、明後日くらいから太陽風の速度が緩やかに増加するはずです。
しかし、上に記した様な衝撃波の到来がありますので、こちらの変化はかき消されてしまうでしょう。

現在の磁気圏はたいへん穏やかです。
磁場強度が強まっていますので、大きく南を向く様になれば、
速度がかなり遅いとはいえオーロラ活動をある程度刺激することになるでしょう。
また、今週後半にかけて磁気圏は荒れ模様になります。

太陽黒点の672群は規模はほとんど変わっていません。
現在もMクラスの中規模フレアを起こす可能性があるとのことです。
引き続き注意が必要です。



SOHO衛星LASCO C3カメラによる、12日9時(世界時12日0時)のCME(太陽ガスの放出)の様子。
(c) ESA & NASA


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。