宇宙天気 2004/ 8/31

宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト): 2004/ 8/26 11:20　太陽風の速度は遅く、磁気圏は穏やかです。太陽黒点も少なくなっています。; 2004/ 8/27 11:18　太陽風の速度がやや上がり、現在は400km/秒の通常の速度になっています。太陽は穏やかです。; 2004/ 8/28 06:29　太陽風は速度400km/秒。磁気圏は静かです。太陽のフレア活動も見られません。; 2004/ 8/29 08:59　太陽風、磁気圏は概ね静穏です。; 2004/ 8/30 10:47　小規模の衝撃波が来ました。磁場強度が強まっており、オーロラが活発になると思われます。; 最新のニュース

2004/ 8/31 10:44　更新
磁気嵐が発生しています。太陽風の乱れは収まりつつあり、磁気嵐は終息に向かうでしょう。

担当　篠原

昨日、太陽風の磁場が大きく南を向き続け、磁気嵐が発生しました。

29日19時(世界時29日10時)頃に小規模の衝撃波が到来した後、
太陽風の磁場強度が強まっていました。
磁場の南北成分は、初め北寄りでしたが次第に向きを変え、
30日14時半(世界時30日5時半)頃からは-10nTと大きく南を向く様になりました。
太陽風の速度は400km/秒程度と通常の速度でしたので、
どの程度の擾乱に発達するだろうかと様子をうかがっていたのですが、
-10nTの南向きはその後、31日6時(世界時30日21時)頃まで15時間半に渡って続き、
地球の磁気圏は大きく乱れ、磁気嵐が発生することになりました。

沖縄の磁場変化を見ると、グラフは静穏レベルの青の横線からぐんぐん下へ下がり
(下がる程、磁気嵐が発達している事を意味しています)、
30日23時(世界時30日14時)頃最大の-120nTに達しました。
京都大学のリアルタイムDstのグラフでもほぼ同時刻に-129nTを記録しています。
また、AE指数も大きく乱れ、1000nT前後、時として1500nTに達する激しい活動が
連続的に観測されました。

太陽風の乱れは31日6時(世界時30日21時)頃から新しい状態に切り替わった様です。
速度にやや乱れが発生し、磁場の強度が5nT程度に弱まり、
南向き磁場も一時的にほぼ無くなりました。
それとともに、磁気嵐の発達も一段落を迎えた様です。
しかし、その後、太陽風磁場で南向き成分が再び卓越する様になっています。
一旦消えた南向き成分ですが、31日8時(世界時30日23時)頃から-5nTの状態が続いています。
振れ幅が小さいので、昨日の様に磁気嵐が更に発達することはないと思いますが、
引き続き擾乱が続くと思われますので注意して下さい。

太陽黒点は663群が西に没しつつあります。
ここへ来てやや発達した様で、Cクラスの小規模フレアを3回程発生させています。
小さな活動ですので、当面は穏やかな状態が続くでしょう。

SOHO衛星のEIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

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