宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 8/13 10:35 太陽風の速度は緩やかに低下を続けています。656黒点群が活発に活動しています。
2004/ 8/14 11:21 X1の大規模フレアが発生しました。太陽風密度の急増が観測されました。
2004/ 8/15 06:43 656黒点群がとても活発にフレアを起こしています。太陽風、磁気圏は穏やかです。
2004/ 8/16 12:14 656黒点群は依然活発に活動しています。太陽風の粒子の密度がとても少なくなっています。
2004/ 8/17 11:45 656黒点群は活発ですが、間もなく西に没します。太陽風、磁気圏は静かです。
最新のニュース

2004/ 8/18 10:50 更新
656黒点群は現在も活発です。太陽風にやや乱れが見られ、オーロラ活動がやや強まっています。

担当 篠原

17日12〜16時(世界時17日3〜7時)頃、SOHO EIT195カメラによって、
太陽面南西(左下側)の大規模なダーク・フィラメント(暗く見えている細い筋です)の噴出が撮影されました。
フィラメントはプロミネンスを上から見たもので、周囲と比較すると冷たいプラズマの固まりです。
太陽のガスが磁場の力で上へ持ち上げられてできているものだそうです。
2004年8月2日の宇宙天気ニュースに、横から見た美しいプロミネンスの動画を掲載しています。ご覧下さい。

このフィラメントの噴出に続いて、LASCO C3カメラではCME(太陽ガスの放出現象)が捉えられています。
南西(左下)へ向かってガスが噴き出しています。
地球方向へは向いていませんので、このCMEの地球への影響はほとんど無いでしょう。

656黒点群はかなり西の端に近づいています。
活動は活発で、昨日のニュース以降もMクラスの中規模フレアを4回、
Cクラスの小規模フレアを10回近く起こしています。
この後、太陽の向こう側に回って行きますので、地球への影響は間もなく無くなります。

太陽風はやや不安定な状態です。
磁場強度は10nTをやや越える程に強まっています。
南北成分も、北寄りが主ですがゆらゆらと揺れています。
また、プラズマの密度が18日6〜10時(世界時17日21〜18日1時)にかけて一時的に濃くなりました。
CMEなどの影響か、いろいろな変化が現れています。

太陽風の速度は340km/秒と遅く、ほとんど安定しています。
しかし、今後、コロナホールの影響でやや上昇すると思われます。

太陽風が変動しているため、オーロラ活動も小規模ながら発生していて、
AE指数は500nT前後の変化が続いています。
太陽風の乱れによって、小規模変動に留まるでしょうが引き続きオーロラ活動が見られそうです。



太陽面のフィラメント(黒く見えている筋)の噴出。17日12〜16時(世界時17日3〜7時)頃。SOHO EIT195カメラによる。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星LASCO C3カメラによって、17日16時(世界時17日7時)頃に見られたCME(太陽ガスの放出)。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。