宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 7/18 06:39 太陽風の大きな変化は終わり、磁気圏は穏やかです。649黒点群は活発です。
2004/ 7/20 11:57 649、652黒点群の活動が活発です。太陽風の速度が急に550km/秒へ上昇しています。
2004/ 7/21 12:57 M8.6の中規模フレアによるCMEが観測されています。明日の深夜から明後日にかけて衝撃波が来ると思われます。
2004/ 7/22 09:58 フレア活動はやや落ち着いていますが、依然注意が必要です。磁気圏は静穏です。
2004/ 7/23 07:38 太陽風の磁場が大きく南を向いています。磁気圏が大きく乱れ、磁気嵐になりそうです。
最新のニュース

2004/ 7/25 17:26 更新
24日15時に2つめの衝撃波が来ました。太陽風が大きく乱れ、磁気嵐が大きく発達しています。

担当 篠原

大きな擾乱が発生していますが、ニュースの更新が遅れてしまい申し訳ありません。

22日に来た太陽風の大きな乱れに続いて、
24日15時(世界時24日6時)に2つめの衝撃波が地球に届きました。
ACE衛星の1日の図ではデータ幅が不足しますので、3日分の図を掲載しています。
いつもの図とは時間幅が異なりますので注意して下さい。
(通常の1日の図も掲載しています)
太陽風の速度が500km/秒から600km/秒に増加し、太陽風の磁場も15〜20nTに急増しました。
地球磁気圏の擾乱に決定的だったのは、太陽風磁場南向き成分の変化です。
ACE衛星のデータの赤線を見ると、初め北を向いていましたが(プラス方向に)、
次第に南向きが強まり始め(マイナス方向)、-15nTから最大で-20nTに達しています。

太陽風が高速であることと、磁場が大きく南を向いたため、
磁気圏に膨大なエネルギーが流れ込み、現在、磁気嵐が大きく発達しています。
沖縄の磁場変化を見ると、24日から擾乱が緩やかに始まりましたが(磁場の減少)、
25日9時(世界時25日0時)頃から急激にマイナス方向に発達が始まり
現時点で既に-150nTまで下がり、磁気嵐が大きく発達している事を示しています。

沖縄磁場変化では、22日に始まった擾乱でも23日15時(世界時23日6時)ころに
静穏レベルから-150nT下がる程の磁気嵐が発生していました。
これは24日朝にかけて終わっています。

オーロラ活動も大変強まっています。
AE指数のグラフを見ると、沖縄磁場と同様に、
25日9時(世界時25日0時)頃から大きな変化が見られています。
1000nTレベルの変化が連続的に見られ、時おり1500nTに達する激しい変化が見られています。

太陽風の速度は現在も500km/秒とやや高速の状態が続き、
磁場強度は20nTと大変強い状態が続いています。
ただし、ACEデータの最新値を見ると、
太陽風磁場の南向き成分が減少する兆しが現れています。
このまま北向きに切り替わると、磁気嵐など擾乱の発達はここで落ち着くでしょう。
逆に、再び南向きに戻った場合は、引き続き擾乱の発達や継続につながります。
今後の太陽風データに注目して下さい。

太陽黒点の652群は太陽の中心線を過ぎ、西へ向かっています。
規模は現在も大きく、Mクラスの中規模フレアやCクラスの小規模フレアを多発させています。
引き続き注意してください。
652黒点群は肉眼で見える大きさに達しています。
日没前の暗くなった時に太陽を見ると、中心付近に小さな黒点を確認できるかもしれません。
天気が良ければ一度お試しください。
太陽の高度が下がり、輝度が十分下がってから観測して下さい。



ACE衛星が観測した、23〜25日の3日間の太陽風の変化。横軸の数字は日付になります。
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。