宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 1/10 07:00 太陽風の南向き磁場の強まりによってオーロラ活動が活発になっています。
2004/ 1/11 10:38 太陽風速度は550km/秒が続いています。小さな衝撃波が届いた様です。
2004/ 1/12 06:34 太陽風速度は一時的に700km/秒へ達しました。現在は550km/秒へ下がっています。
2004/ 1/13 10:41 太陽風磁場が南向き傾向のため、オーロラ活動が活発になっています。
2004/ 1/14 10:55 太陽風の速度、密度に急な上昇が見られました。その影響でオーロラが活発化しています。
最新のニュース

2004/ 1/15 11:10 更新
太陽風の速度は低下し、磁気圏は比較的静かになっています。次のコロナホールに注意して下さい。

担当 篠原

昨日お知らせした太陽風速度・密度の上昇現象ですが、
その後、14日11時(世界時14日2時)に密度が低下し、速度も次第に下がって現在は450km/秒になっています。

この速度・密度変化は、地球が太陽風のセクター境界を越える時に現れた変動だった様です。
図の1枚目にACE衛星による3日間の太陽風磁場の変化を示します(実質2日分しかありませんが)。
1枠めの青線は太陽方向の磁場、白線は太陽に向かって東西方向の磁場、赤線は磁場全体の強度を示しています。
横軸の数字は日を表しています(世界時です)。
13日から15日にかけて、青線は負から正へ、白線は正から負へと
それぞれ極性が反転している事が読み取れます。

図の2枚目に、もうひとつのACE衛星のプロットを示します。
3枠めの橙色線が太陽風の密度、4枠めの黄色線が速度です。
上の図で見られた磁場極性の変化の前触れの様なタイミングで
世界時の13日後半から14日にかけて密度、速度の上昇が見られています。
セクター境界の切り替わりでは、今回の様に太陽風に乱れが生じている事があります。

セクター構造の切り替わりは、前周期では2003/12/20に起こっています(今回、2日程早まった様です)。
セクター構造の切り替わりについては、2003/12/5の記事をご覧ください。

太陽風の速度は低下しましたが、磁場強度は逆に強まっており、現在10nTに達しています。
北向き傾向にあるため、磁気圏は比較的静かな状態を保っていますが、
南向きに変化した場合はオーロラ活動が活発になるでしょう(速度が遅いので、激しい変動にはならないと思います)。

SOHO EIT284カメラに見えている南北に延びるコロナホールが、太陽の中央線を越えました。
明日、明後日頃からこのコロナホールに起因する高速太陽風が地球に当たり始めると予想されます。
このコロナホールによる影響ですが、前周期の最高速度は600km/秒、高速な状態は3日程続きました。

太陽では、フレア(太陽爆発)は目立ったものは起こっておらず、静かな状態が続いています。



ACE衛星による太陽風磁場のデータ
(c) NOAA/SEC


ACE衛星による太陽風磁場、密度、速度のデータ
(c) NOAA/SEC


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。