宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2003/12/ 7 20:11 太陽風の速度が下がり、静穏になっています。
2003/12/ 8 10:05 太陽風磁場が南向き傾向のため、オーロラ活動がやや活発な様です。
2003/12/ 9 11:04 コロナホールの影響で、太陽風の速度が上昇しています。
2003/12/ 9 21:19 太陽風の速度が上昇しています。オーロラ活動が強まっています。
2003/12/10 10:48 コロナホールによる高速太陽風が地球に来ています。もうしばらく荒れた状態が続きます。
最新のニュース

2003/12/11 10:38 更新
太陽風が非常に高速です。磁気嵐が発達する可能性があります。

担当 篠原

太陽風の速度が10日21時(世界時10日12時)頃から800km/秒を越えて、
非常に高い状態が継続しています。
太陽風磁場の南向き成分は-5nT以下の小さいレベルが続いていますが、
速度が非常に高速だったため、オーロラ活動はかなり活発だった様です。

オーロラの活動度を示すAE指数のグラフをご覧ください。
11日2時(世界時10日17時)頃に1500nTを越える、
そして11日6時(世界時10日21時)頃にも1000nTを越える激しい変化が見られています。

沖縄の磁場変化を見ると、極域の擾乱に対応する激しい上下の変動
(特に11日2時(世界時10日17時)頃)は見られますが、全体のレベルはほとんど下がっていません。
磁気嵐が発達した時には、地球を取り囲む様に赤道に添って巨大なリング状の電流系(環電流)が形成されます。
磁気嵐によってこの電流が発達した場合、地上の磁場が弱まる(グラフでは下がる)変化として観測されます。
昨夜の磁気擾乱ではこの変化が見られませんでしたので、
磁気嵐としてはほとんど発達しておらず、オーロラ活動として激しかったと言えそうです。

SOHO EIT286の太陽画像では、赤道を南北に横切っているコロナホールは西縁(右端)にかなり近づいています。
この領域からの地球への影響はそろそろ終わると思われます。
赤道から南半球側に広がる大きなコロナホールの影響はこれからです。
ここから出ている高速の太陽風が地球へ影響を及ぼすのかどうか、これから注意が必要です。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) CRL





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。