宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/11 10:22 太陽風は通常の状態で、オーロラ活動も見られています。960群は小規模フレアを起こしています。
2007/ 6/12 10:37 太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。細長くなったコロナホールが、太陽の中央に見えています。
2007/ 6/13 10:03 太陽風、磁気圏ともに穏やかです。明日くらいから、回帰性の高速風がやってくると思われます。
2007/ 6/14 10:13 太陽風の速度がやや上がっています(400km/秒)。磁場強度は強まっており、更に速度が上がる可能性があります。
2007/ 6/15 09:58 太陽風の速度が上がり、高速風に変わっています(600km/秒)。オーロラも活発に発生しています。
最新のニュース

2007/ 6/16 11:33 更新
高速風は続いていますが、速度は下がり始めました(520km/秒)。小規模のオーロラ活動が見られています。

担当 篠原

太陽風は速度が下がって、520km/秒になりました。
依然、高速状態ですが、それほど高い速度ではなくなっています。
太陽風の磁場強度も下がっていて、5nTから3nTに弱まりました。
速度の低下傾向と連動した変化になっています。

太陽風磁場の南北成分ですが、
磁場強度が弱まったことで、南北成分の振幅も下がっています。
また、北寄りの傾向が見られているため、磁気圏への影響は小さくなっています。

シベリアの磁場データを見ると、一昨日(図の中央)の変化が比較的活発だったのに対し、
昨日(図の右側)の変化は、ひとつだけ目立った活動が見えているだけです。
AE指数では、500nTくらいの小規模活動が2回ほど観測されています。
磁気圏はだいぶ落ち着いています。


27日周期で高速風の時間経過を見ると、
前回と比べると、今回の高速風の規模は弱まっている様です。
前回は、5月18日から20日にかけて、600km/秒台の高い速度が見られましたが、
今回は、6月14日から15日にかけて半日程度600km/秒を超えた程度です。

これから明日にかけて、速度は次第に下がり、太陽風は通常の状態へ戻るでしょう。
磁場強度が既に下がっていますので、磁気圏は穏やかな状態が続くと思われます。
オーロラ活動が発生しても、今日見えている様な小規模変動に留まるでしょう。


27日周期の図でもう少し先を見てみましょう。
前周期の5月22-23日に、太陽風磁場の乱れが見えていますが、
これはCME(太陽ガスの放出現象)にまつわる一時的な擾乱です。
周期性のある変化は、その翌日、5月24日以降の高速太陽風です。
これは、今周期では4日後の6月20日以降に相当します。

SOHO EIT284の太陽コロナ写真をご覧下さい。
太陽の東寄り(左寄り)にコロナホールの黒い影が見えています。
このコロナホールがこれから太陽の中心に達し、
地球に向かって速度の高い太陽風を吹き出すのです。


放射線帯の高エネルギー電子は、今のところ目立った増加をしていません。
高速風も後半に入っていますので、
今回は大きな増加にはならないだろうと思われます。

太陽は無黒点のままです。
GOESのX線の強度は最低レベルに下がっています。
太陽のフレア活動は、穏やかな状態が続くでしょう。




SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。