宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 6/ 1 12:50 太陽風の密度減少は終わりました。引き続き、太陽風、磁気圏ともに穏やかな状態です。
2007/ 6/ 2 10:06 960黒点群が姿を現し、Mクラスの中規模フレアが3回発生しました。また、これから高速風が始まりそうです。
2007/ 6/ 3 12:06 今日、M7.0の中規模フレアが発生しました。960黒点群が活発に活動を続けています。
2007/ 6/ 4 07:43 引き続き、中規模フレアが発生しています。960黒点群には注意を続けてください。
2007/ 6/ 5 07:42 M8.9の大きな中規模フレアが発生しました。960黒点群は引き続き活動的です。
最新のニュース

2007/ 6/ 6 07:39 更新
960黒点群がC6.6の小規模フレアを起こしました。活動は弱まっている様です。

担当 篠原

今日は、いつものSOHO EIT284の太陽写真を拡大して掲載します。
明るい活動領域(黒点群はこの領域に含まれます)が、
太陽の赤道に沿う様に並び、太陽を囲む美しい光のベルトになっています。

ここしばらく、960黒点群の活動でフレアが活発でしたが、
太陽の11年周期としては、現在は活動が最も静穏な極小期にあたり、
これから新しい次の周期が始まるところです。
活動領域が赤道に集中するのは、この季節の特徴です。
今後、活動領域は赤道を離れ、より北極や南極に近い中緯度付近に出現する様になります。
そうすると、次の周期の始まりとなります。

960黒点群は活動としては減衰に向かっている様です。
6月1日から4日にかけて、Mクラスの中規模フレアを連発させて来ましたが、
昨日から今日にかけて目だったフレアは、
6日0時半(世界時5日15時半)のC6.6の小規模フレアだけです。

蓄えているエネルギーの大きさを示すと考えられる、黒点磁場の構造も、
次第に単純になってきており、減衰が感じられます。
ただし、まだ複雑さを示す指標としては高いレベルにあり、
引き続き、中規模フレアや、場合によっては大規模フレアを起こす可能性があります。
しばらく静かにしているだけに、かえってエネルギーを蓄えている可能性もあり、
完全に減衰が見られるまでは警戒が必要でしょう。


太陽風は、昨日のニュース以降、速度が下がり始め、
昨日の500km/秒から、現在は400km/秒に落ちました。
高速風は終わり、太陽風は通常の速度に戻っています。

磁場強度も5nTから2nTに下がっています。

磁場の南北成分は0nT付近で小さな変化をしている程度です。
速度も下がって来ており、磁気圏への影響は小さくなっています。
シベリアの磁場データは全く変化が見られませんし、AE指数でも変化は見られません。

これからしばらく穏やかな太陽風が続くでしょう。
27日周期の図を見ると、次の擾乱は、
かろうじて図の最後に顔を見せている5月18日の高速風の回帰になります。
これは、今周期では6月14日頃です。




SOHO衛星のEIT284カメラの映像。明るい活動領域が、赤道にそって並んでいます。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。