宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
STEREO (STEREO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
衛星電子予測 (JAXA)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
昭和基地 (NICT)
オーロラ帯 (CARISMA)
Alaskaカメラ (SALMON)
オーロラ(衛星) (NICT)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙天気日報
宇宙天気臨時情報
NICT宇宙天気情報センター
宇宙環境計測グループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2007/ 5/26 12:09 たいへん高速の太陽風が続き、磁気圏活動も活発です。放射線帯の高エネルギー電子が、かなり強まっています。
2007/ 5/27 10:46 太陽風はたいへん高い速度を保っています(650km/秒)。地球は次第に高速風から抜け出して行くでしょう。
2007/ 5/28 10:45 高速の太陽風が続いています(600km/秒)。放射線帯が強まっています。
2007/ 5/29 10:20 太陽風の速度は下がり、磁気圏も穏やかになっています。放射線帯は強まったままです。
2007/ 5/30 10:41 太陽風は通常の速度で、磁気圏も穏やかです。
最新のニュース

2007/ 5/31 12:43 更新
太陽風は低速で、磁気圏も穏やかです。太陽風の密度が下がっています。

担当 篠原

30日23時(世界時30日14時)に、C2.0の小規模フレアが発生しました。
長時間型のフレアで、X線のグラフがゆっくりと盛り上がっています。

フレアの発生箇所は、太陽の東端付近と見られています。
現在、太陽には958黒点群が見えていますが、ここではありません。
STEREOの写真で、東端(左端)に明るく見えている部分がありますが、
この辺りなのではないでしょうか。
GOESのX線のグラフは、フレアの後、ゆっくりとレベルが上がっています。
今後、この領域が太陽のこちら側に回って来ると、
黒点群が見えて来るのではないかと思います。


太陽風は、ゆっくりと速度が下がり、低速風になっています。
掲載しているACEの図では、380km/秒から320km/秒へと落ちています。

速度が落ちるとともに、グラフの黄色の点がばらつく様になっています。
これは、太陽風のプラズマの密度が下がっているため、
計測の誤差が大きくなっているからです。
密度のグラフを見ると(橙色線)、
現在の太陽風の密度は1個/cm^3を割って、0.2〜0.5個/cm^3程度に落ちています。
普段と比べると、10分の1程度に薄まっています。

更に薄くなると、ACEのグラフも更にばらつくようになります。
擾乱とは反対の静かな乱れですが、この後の太陽風の変化にも注目してみてください。


太陽風の磁場強度は2nTに弱まったままです。
(磁場の計測には、太陽風が薄くなった影響はありません)
-2nTくらいの、振幅の小さな南向き磁場が見られていますが、
速度も遅く、磁気圏には目立った影響はありません。
シベリアの磁場データは、ほぼ平坦になっています。
AE指数でも、200nT弱程度の、ごく小さな変化が見られている程度です。


この静かな状態は、明後日くらいまで続くと考えられます。
その後、高速の太陽風がやってくるでしょう。
発生源のコロナホールは、STEREOの太陽写真で、
太陽の中心からやや下がった所に見えています。
ここから吹き出している風が、3日ほどかけて地球までやってきます。


放射線帯の高エネルギー電子は、高いレベルで安定しています。
太陽風、磁気圏が静かになると、高エネルギー電子の減少はとてもゆっくり進みます。
このまま、次の高速風が来るまで警戒状態が続くことになるでしょう。




STEREO衛星紫外線望遠鏡EUVI195の太陽写真。31日3時(世界時30日18時)
(c) NASA


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。