宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ
27日周期 (NICT)
短期太陽風電子
太陽黒点 (SOHO)
太陽X線 (GOES)
活動領域 (NASA)
EIT284 (SOHO)
EIT195 (SOHO)
LASCO C2 (SOHO)
LASCO C3 (SOHO)
コロナホール (NAOJ)
太陽風 1日 (ACE)
太陽風 7日 (ACE)
セクター構造 (NICT)
太陽放射線 (GOES)
衛星磁場 (GOES)
衛星電子 (GOES)
衛星環境 (GOES)
沖縄磁場変動 (NICT)
Dst予測 (NICT)
AE指数 (NICT)
Dst (京都大学)
NICT磁力計 (NICT)
シベリア磁場 (NICT)
カナダ磁場 (CANOPUS)
オーロラ帯 (CARISMA)
オーロラ(衛星) (NICT)
Alaskaカメラ (SALMON)
カナダカメラ (CANOPUS)

情報ページ
宇宙天気用語集
宇宙天気日報
宇宙天気臨時情報
NICT宇宙天気情報センター
宇宙環境計測グループ
Space Environment Center
これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/12/ 2 10:43 太陽風は磁場強度4nT、速度400km/秒と通常の状態に戻っています。
2006/12/ 3 10:43 926黒点群が小規模フレアを3回起こしています。太陽風、磁気圏は静穏です。
2006/12/ 4 10:20 太陽風は速度が遅く、磁気圏も穏やかです。小規模フレアが発生しています。
2006/12/ 5 10:38 新しい活動領域によって、小規模フレアが多発しています(最大C4.9)。太陽風、磁気圏は静穏です。
2006/12/ 5 21:00 太陽でX9.1の非常に大規模なフレアが発生しました。今後の変化に警戒が必要です。
最新のニュース

2006/12/ 6 12:00 更新
X9のたいへん大規模なフレアが発生しました。フレア活動は活発に続いています。コロナホールによる高速風が始まりました。
2006/12/ 6 19:34 追加 
活発なフレア活動が続いています。17時(世界時8時)にM6の中規模フレアが発生しました。
2006/12/ 7 09:00 追加 
[速報] 7日未明に、X6.5の大規模フレアが発生しました。

担当 篠原

昨夜、5日19時半(世界時5日10時半)に、太陽でX9.0の非常に大規模なフレアが発生しました。
Xクラスのフレアは、2005年9月以来の発生です。
過去30年間の観測でも、歴代28位という規模になります。
過去の大きなX線フレア(NICT)

発生箇所は、太陽の東の端(左の端)で、新しい活動領域が上がって来たばかりでした。
929黒点群と名付けられたこの領域が、太陽の向こう側からこちら側に上がって来ると共に、
GOESのX線グラフのレベルが上昇し、
Cクラスの小規模フレアが頻繁に発生しました。
そして、昨夜、5日17時(世界時5日8時)にM1.8の中規模フレアが発生、
続いて5日19時半(世界時5日10時半)に、X9.0の非常に大規模なフレアが発生したのです。

フレアの様子を、GOES13のX線動画でごらん下さい。
今日の1枚目に掲載しています。

たいへん残念なことに、フレア以降、X線の画像に白い横線が残っています。
この白線は今朝の画像でも残っていて、どうやらカメラに障害が残ってしまった様です。
GOES13のX線画像は、これまでのGOES12と比較すると格段に品質が向上していて、
本格稼働が楽しみだっただけに、今後の回復を期待したいところです。

フレア活動は現在も活発に続いています。
ちょうど今、6日10時半(世界時6日1時半)に、M1.3クラスのフレアが発生した様です。
今後も活発な活動が続くと予想されます。
再び、Xクラスの大規模フレアが発生することも十分考えられますので、
注意が必要です。

太陽写真では、東端にかすかに929黒点群の姿を見ることができます。
この黒点群は、先月11月10〜20日にかけて肉眼黒点になっていた923黒点群が、
一回転してきたものではないかと思います。
11月8日の宇宙天気ニュースの太陽写真と、今日の太陽写真(12月5日)を比較してください。
11月8日は12月5日のちょうど27日前です。
ほとんど同じ位置に黒点が見えているのが分かります。


フレアに伴って、太陽放射線(太陽から飛んで来た、非常に高速のプロトン粒子)がいくらか増加しています。
増加は6日0時(世界時5日15時)頃から始まり、現在、4PFU程度です。
衛星への警戒レベルは10PFU以上と言われています。

フレアが太陽の東端で起こったため、太陽放射線は地球へは届きにくい状況にあります。
そのため、フレアがたいへん大規模だったわりに、大きな増加になっていないのです。
太陽放射線は今後もゆっくりと増加を続ける可能性があります。
今後の変化に注目する必要はあるでしょう。


また、これだけの規模のフレアですので、
CME(太陽ガスの放出現象)もかなり激しく発生したと思われます。
状況をSOHO衛星のLASCOカメラで見たいところなのですが、12月4日以降画像の更新が止まっています。
これは事故ではなく、SOHO衛星の運用の関係で、現在データが得にくい状態にあるのです。
EITカメラの更新が軒並み停止しているのもその影響です。
LASCOについては、4日までは更新が続いていたのですが、
それ以降は、更にデータが得にくい状態になっているのかもしれません。
更新が再開されるまで、しばらく待つしかありません。

今回は、CMEの発生箇所が地球から見て真横なので、飛び出したガスも大半は横方向へ飛んでいるはずです。
ですので、地球への影響は、全体として見れば最小限に留まるはずです。

今日の1枚目のフレアの動画を見ていると、フレアの輝きの直後に、
CMEに相当する太陽ガスの噴出が写っているように見えます。
地球へやって来るとすれば、右端に向かって飛び出しているガスになりますが、
フレアの規模が大きかっただけに、こちら側へも十分に飛び出しているように見えます。
恐らく、ある程度の規模の衝撃波はやってくるのではないでしょうか。
今夜から明日いっぱいにかけて、太陽風の変化に注目する必要はあると考えます。



さて、なかなか今日は忙しいです。
太陽風は、コロナホールによる高速風領域に変わりつつあります。
ACEの図を見ると、磁場強度がじわじわと強まって、2nTから10nTへ上昇しています。
速度も既に上がり始めていて、300km/秒から、現在は450km/秒近くに達しています。
磁場強度が強まったままですので、速度の上昇はまだ続くと思われます。

前周期は、最高速度は650km/秒にまで達しました。
今回も、コロナホールは大きな姿をしていますので(今日の2枚目の写真を参照してください)、
同程度の上昇が起こるのではないでしょうか。
明日、明後日にかけて、速度の変化に注意してください。

太陽風磁場の南北成分は、現在南寄りの傾向を強めていて、
-5〜-10nTとやや大きめの南向きになっています。
速度が上昇し始めていることと重なって、活発なオーロラ活動につながりそうです。
今後の変化に注目してください。
磁場強度が強まっていると、大きな南向きが現れやすくなり、
磁気嵐、オーロラなどを活発化させる要因となります。

2006/12/ 6 19:34 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
太陽では活発なフレア活動が続いています。
今朝、6日10時半(世界時1時半)にM1.3の中規模フレアが発生したとお伝えしましたが、
夕方、6日17時(世界時6日8時)にもM6.0の中規模フレアが発生しました。
発生箇所は太陽の東の端(左端)の活動領域です。

昨日のX9を含めて、活発に発生しているフレアの発生源を、
今朝のニュースでは929黒点群と書きましたが、
それは間違いで、930黒点群が正しい番号でした。
929黒点群は、930黒点群の右上にある、もっと小さな黒点群です。
太陽写真ではほとんど識別することができず、誤ってお伝えしてしまいました。

930黒点群は、やがてはっきりと姿を見せてくれるでしょう。
引き続き活発なフレア活動に注意が必要です。


太陽放射線は、ゆっくりと増加を続けています。
現在、6PFUに達しつつあります。
警戒ラインは10PFUですので、まだ下回っていますが、
注目を続ける必要があります。


太陽風は、ゆっくりとですが、速度上昇が続いています。
現在、速度が450km/秒を超えつつあります。
これはフレアの影響ではなく、コロナホールによるものです。
磁場強度は、10nTに強まったままですので、高速風は更に強まるでしょう。

また、太陽風磁場が大きく南を向く傾向が見えています。
現在も、-10nTが2時間ほど続いています。
極域では活発なオーロラ活動が発生しているでしょう。
このまま強い南向きが続いたり、速度が一段と上昇したりすると、
磁気圏の活動も激しくなります。
磁気嵐が発生するなど、こちらにも注意が必要です。

2006/12/ 7 09:00 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
今日の未明、7日3時半(世界時6日18時半)にX6.5の大規模フレアが発生しました。
930黒点群はたいへん活発なフレア活動を続けています。

また、太陽放射線が警戒ラインを超え、30PFUに達しています。
引き続き増加中で、衛星の運用では注意が必要な状態です。

詳細は後ほどお伝えします。



GOES13衛星のX線カメラで撮影したX9.0の非常に大規模なフレア。5日19時半(世界時5日10時半)に発生した。
(c) NOAA/SEC


GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。12月1日2時(世界時11月30日17時)。元の写真はやや左に傾いています。
(c) NOAA/SEC


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr
太陽X線
○はM以上
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
静止軌道電子
/cm^2 s sr

2006/12/ 6 19:34 追加

GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC




2006/12/ 7 09:00 追加

GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



GOES衛星の太陽放射線データ
(c) NOAA/SEC





この情報ページについて、コメント、要望などがありましたら、
篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。