宇宙天気 2006/ 9/ 6

宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

リアルタイムデータ

27日周期 (NICT)

短期・太陽風・電子

太陽黒点 (SOHO)

太陽X線 (GOES)

活動領域 (NASA)

EIT284 (SOHO)

EIT195 (SOHO)

情報ページ

Space Environment Center

これまでの経過 (過去のニュースの全リスト): 2006/ 9/ 1 11:25　太陽風はやや遅くなっていますが(380km/秒)、南向き磁場が長時間続き、磁気圏が活動的になりました。; 2006/ 9/ 2 13:15　太陽風はやや低速です(380km/秒)。南向き磁場の影響で、小規模のオーロラ活動が続いています。; 2006/ 9/ 3 13:22　太陽風の速度がやや上がっています。コロナホールの影響はこれからでしょう。; 2006/ 9/ 4 10:31　太陽風に変化が始まっています。これから高速風領域に突入しそうです。; 2006/ 9/ 5 11:21　地球は高速の太陽風領域に入っています(600km/秒)。活発なオーロラ活動も見られています。; 最新のニュース

2006/ 9/ 6 10:51　更新
太陽風の速度は下がりつつあります(500km/秒)。弱いですが南向き磁場の影響で、活発なオーロラ活動が見られています。

担当　篠原

600km/秒に上昇していた太陽風の速度は、昨日のニュース以降ゆっくりと下がっています。
現在、500km/秒まで下がりました。
前周期は、600km/秒台が1日半くらい続いたのですが、今回は半日ほどに縮まりました。
27日周期の図を見ると、速度(緑色線)の山が前回(8月7日以降)よりも小さくなっているのが分かります。

地球は高速風帯の中央部は通り抜けましたが、
前周期はこの後も450km/秒くらいのやや高速の状態が3日ほど続きました。
今回も同様に、下がりそうで下がらないという変化になるかもしれません。

一方の太陽風磁場は、-2nTくらいの弱い南向きが連続して現れています。
このため、AE指数で500nTから800nTくらいの中規模のオーロラ活動が観測されました。
磁場の南向きが、振幅は小さいものの長い時間続いたことと、
速度が550km/秒と比較的高かったことが影響しているのでしょう。

現在は、速度が下がって来ていますので、
オーロラ活動は次第に小規模なものにとどまるようになると思われます。

さて、昨日も書きましたが、GOES13のX線写真を見ると太陽の中心やや東(左)に
小さなコロナホールが見えています。
明日くらいに太陽の中心に達しそうです。
このくらい小さいと目立った影響はなさそうですが、
太陽の真ん中にあるので、9月10-11日の太陽風に多少の変化が見られるかもしれません。
前周期には見られなかったコロナホールですので、変化の様子が楽しみです。

放射線帯の高エネルギー電子が一気に数を増しています。
グラフでは一気に10の4乗の線に到達しています。
衛星の運用では障害が発生しやすくなっています。
明日にかけてさらに増大する可能性もあります。
今後の変化に注目してください。
また、増加は急ですが、減少はたいへんゆっくりです。
これから数日間にわたって、警戒状態が続くと予想されます。

太陽のフレア活動は穏やかです。
黒点の写真が更新されていないのですが、
東の端から907、908と二つの黒点群が現れているそうです。
ただし、GOESのX線動画を見ると、活発に活動している様子は見られません。
引き続き穏やかなままでしょう。

GOES13衛星のX線カメラで撮影した太陽の様子。6日10時(世界時6日1時)。元の写真はやや左に傾いています。
(c) NOAA/SEC