宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙環境計測グループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 7/ 2 13:49 太陽風の速度は低下を続け、400km/秒に戻っています。磁気圏は穏やかです。
2006/ 7/ 3 10:05 太陽風は低速です(340km/秒)。今後、コロナホールによる速度の上昇が始まるでしょう。
2006/ 7/ 4 10:12 太陽風の速度は遅く(300km/秒)、磁気圏は静穏です。これから高速風が始まります。
2006/ 7/ 5 12:15 コロナホールによる高速風が始まりました(600km/秒)。オーロラの活動も活発化しています。
2006/ 7/ 6 11:04 高速風が続いています(600km/秒)。磁気圏の活動度は小規模に下がっています。
最新のニュース

2006/ 7/ 7 11:00 更新
M2.5の中規模フレアが発生しました。CMEも発生しています。高速太陽風は速度が下がり始めました。
2006/ 7/ 7 12:27 追加 
898黒点群について追加情報

担当 篠原

昨日の午後、6日17時(世界時6日8時)に、898黒点群でM2.5の中規模フレアが発生しました。
898黒点群は、ここ数日小規模フレアを起こし続けていて、
やや活発な様子を見せていましたが、とうとう中規模のフレアを起こしました。
Mクラスの中規模フレアの発生は、4月27日のM7.9フレア以来のことです。

このフレアに伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が発生しています。
SOHOのLASCO C2, C3カメラによる動画を掲載しています。
写真の更新が止まっているため、CMEの画像は途中までしかありません。
898黒点群は太陽の西寄りに位置していたため、
CMEの太陽ガスも南西(右下)方向に向かって飛び出しています。
地球方向へ直接向かっていませんので、影響はそれほど大きなものにはならないでしょう。
太陽風に乱れが発生する場合は、3日後の9日頃になると思います。

898黒点群は、規模自体はそれほどの変化はありません。
今後もこれまでと同様に、小規模か場合によっては中規模のフレア活動を起こす程度と考えられます。
注目する必要はありますが、激しい活動に発展することはないでしょう。

高速太陽風は徐々に速度を落としています。
昨日の600km/秒台からゆっくりと下がり、現在は530km/秒に下がっています。
前周期と比較すると、高速風領域の規模は小さくなっているようです。
この後も速度の低下は続き、明日いっぱいくらいで通常レベルに戻るのではないでしょうか。

太陽風磁場は3nTに弱まっています。
南北成分は、南に寄ったり北に寄ったりしています。
南を向いても-2nTくらいで、それほど大きな影響は及んでいません。
AE指数では500nT前後の活動が観測されています。
今後は、速度がどんどん下がって行きますので、磁気圏は一層穏やかになるでしょう。

その一方、放射線帯の高エネルギー電子の密度が上昇しています。
昨日より、更に1桁上昇して、警戒ラインの10の4乗の線に到達しました。
衛星に支障が発生しやすい状態になっています。
明日は、更に上昇している可能性があり、また、この状態は数日にわたって続くと予想されますので、
しばらくの間注意が必要になります。

2006/ 7/ 7 12:27 追加 (篠原) 関連の図はページの最後にあります
www.SolarMonitor.orgの最新情報によると、
898黒点群は、磁場構造としては複雑さを増しているそうです。
磁場構造の複雑さは、活動領域が持っているエネルギーを示すと考えることができます。
898黒点群は引き続き、現状レベルのフレア活動を続ける可能性があります。



GOES衛星が観測したM2.5の中規模太陽フレア。6日17時(世界時6日8時)に発生。
(c) NOAA/SEC


SOHO LASCO C2, C3カメラによる、M2.5の中規模フレアに続いて発生したCME。
(c) ESA & NASA


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC




2006/ 7/ 7 12:27 追加



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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。