宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 4/17 12:52 放射線帯の高エネルギー電子がたいへん高いレベルです。太陽風の速度は低下に向かっています(550k/秒)。
2006/ 4/18 10:33 放射線帯の高エネルギー電子は高いレベルを続けています。太陽風はやや高速です(500km/秒)。
2006/ 4/19 09:56 放射線帯の高エネルギー電子は減少したものの、まだ高いレベルです。太陽風、磁気圏は穏やかです。
2006/ 4/20 10:47 太陽風、磁気圏は穏やかです。放射線帯の高エネルギー電子は高いレベルが続いています。
2006/ 4/21 12:45 太陽風は400km/秒で、磁気圏は穏やかです。コロナホールの影響は現れていません。
最新のニュース

2006/ 4/22 11:27 更新
太陽風の速度が上昇しています(500km/秒)。南向き磁場の影響で、これから磁気圏が乱れそうです。

担当 篠原

太陽風の速度が500km/秒に上がっています。
遅れ気味ですが、コロナホールの影響がやってきた様です。
SOHO EIT284の太陽写真では、そのコロナホールは既にかなり西側に移動しています。
手前の明るいガスが被ってしまって、見にくくなっていますが、
右端の赤道からやや上の部分に見えています。

太陽風では、21日16時(世界時21日7時)ころから変化が始まりました。
磁場強度が5nTから次第に増加し、10nTから、やがて15nT近くまで強まりました。
また、粒子の密度も増加して、濃い太陽風になっています。
そして、21日23時(世界時21日14時)頃から、
これらの変化を追いかけるように、速度の上昇が始まりました。
速度は350km/秒くらいまで下がっていたのですが、ゆっくりと上昇を続け、
現在500km/秒と高速状態になっています。
磁場強度は依然10nTと強まっていて、粒子密度も増加したままです。
このため、引き続き速度は上昇を続ける可能性があります。
コロナホールの規模から考えると、高速風が長く続く事はないと思いますが、
27日前にはほとんど速度の変化が見られなかったため、
この後の変化の予想は立てにくい状況です。

磁気圏活動のスイッチとなる太陽風磁場の南北成分は、
これまでは北寄りに推移していました。
所々に短時間の南向きがある程度で、小規模の磁気圏活動が見られた程度です。
今日は、AE指数のグラフが不調ですので、シベリアのデータをご覧下さい。
小規模の変動が観測されています。

この太陽風磁場の傾向が、ACEの最新の部分で変わっています。
22日8時(世界時21日23時)から、南北成分は一転して南向きに大きく切り替わりました。
現在、-10nTの強い南向きが3時間ほど続いています。
速度が高まっているため、磁気圏は一気に活動的になりそうです。
すでに極域ではオーロラ活動が活発になっていると思われます。
南向きが継続すると、磁気嵐も発達しそうです。
今後、どこまでこの南向きが続くかに注目してください。


放射線帯の高エネルギー電子は、昨夜は最高値でぎりぎり10の4乗を越えました。
ただ、太陽風の乱れにともなう変動で、かろうじて越えたという印象です。
現在の磁気圏活動の影響で、この後は更に減少すると予想されます。

太陽のフレア活動は穏やかです。
874群は特に発達はしていません。
SOHO EIT284の東端(左端)が明るくなっているので、
やがて新しい活動領域が上がってきそうです。
今のところ、目立った動きは見えていません。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。