宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2006/ 3/ 2 13:49 太陽風磁場が南北に振動して、小規模のオーロラ活動が発生していました。現在は静穏です。
2006/ 3/ 3 12:33 太陽風の速度は400km/秒です。太陽風磁場が北寄りになっているため、磁気圏は穏やかです。
2006/ 3/ 4 08:59 太陽風速度は380km/秒。磁気圏はとても穏やかです。
2006/ 3/ 5 13:29 太陽風は速度が低下して、遅くなっています(340km/秒)、磁気圏はとても穏やかです。
2006/ 3/ 6 13:34 太陽風の速度は一段と下がり、とても低速です(300km/秒)。磁気圏はとても穏やかです。
最新のニュース

2006/ 3/ 7 12:26 更新
太陽風の磁場が大きく乱れ、南向きの影響でオーロラ活動が活発になりました。

担当 篠原

昨日の予想は見事に外れ、太陽風の磁場に乱れが発生しています。
6日13時(世界時6日4時)頃に、太陽風磁場のセクター境界が観測されました。
太陽風磁場の大まかな方向が、
「太陽から地球方向」から、「地球から太陽方向」へ変化したのです。
この変化自体は、宇宙天気に目立った影響は与えません。
しかし、この切り替わり以降、太陽風の様子が大きく変化したのです。

太陽風磁場の強度が急に強まり、10nTから、最大で15nTまで強まりました。
南北成分は、6日20時(世界時6日11時)から、南寄りに傾向が変わりました。
その直後から-5nTの南向きが続き、
磁場強度が15nTに達した7日4時半(世界時6日19時半)からは、
-10nTの強い南向きが約5時間にわたって続きました。

この間、太陽風の速度も上昇して、
それまでの300kkm/秒から、400km/秒近くまで上がりました。
ただ、高速というほどではなく、通常状態と言える程度の速度です。

南向き磁場が強まった結果、磁気圏の活動が活発になりました。
シベリアの磁場データを見ると、1000nTの幅の変化が観測されています。
一方、AE指数では、500nTとやや小規模の観測に留まっています。
ただし、これは現時点で収集されている観測データが少ないためではないでしょうか
(図の色から判断すると、3観測点にとどまっている様です)。
シベリアの観測を参考にすると、
AE指数でも1000nT程度の変化が観測されている可能性があると思います。

また、沖縄の磁場データは、静穏レベルから-50nTほど低下する変化が見えています。
強い南向きの影響で、弱い磁気嵐が発生していると思われます。

今回の磁気圏活動は、活発ですが、大きなものにはなりませんでした。
それは、速度が400km/秒と、高速にはならなかったためです。

現在の太陽風は、速度は400km/秒のままですが、磁場強度は7nTくらいに弱まっています。
そして、南北成分は南寄りから、北寄りに変わりつつある様です。
このまま北寄りで安定すると、磁気圏の活動はおとなしくなるでしょう。

また、今回の太陽風の乱れは、それほど長くは続かず、
明日くらいにかけて次第に収まって行くのではないかと思います。


続いて、太陽の状況ですが、フレア活動はとても穏やかです。
掲載している写真では見つけることができませんが、
黒点群は856、857群ととても小さな黒点群が2つあるそうです。
こちらは、穏やかな状態がつづくでしょう。



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



シベリアで観測された3日間の磁場データ
右側の3分の1が、昨日のデータになります。グラフが上がったり下がったりすると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) NICT



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



沖縄の磁場擾乱
下へ下がるほど、擾乱が発達している事を意味します。
(c) NICT



27日の太陽周期に合わせたデータプロット (太陽風版)
太陽が同じ面を地球に向けていた27日前の変化から、今後を予想することができます。
(c) NICT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
太陽風速度
km/sec
セクター
Bx (nT)
IMF Bz,Bt
nT
沖縄変動
nT
沖縄短期変動
nT
GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。