宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「情報通信研究機構宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2005/ 5/ 2 13:27 高速風は続いていますが(600km/秒)、後半部に入っています。オーロラも活発に続いていました。
2005/ 5/ 3 08:59 太陽風は次第に速度を下げています(500km/秒)。今朝、C8.0の大きめの小規模フレアが発生しました。
2005/ 5/ 4 07:26 758黒点群がC8の小規模フレアでCMEを発生させています。横向きですので、地球への影響はないでしょう。
2005/ 5/ 5 15:08 太陽風は穏やかで、磁気圏は静穏です。
2005/ 5/ 6 10:07 太陽風は速度も低く(340km/秒)、地球磁気圏は穏やかです。C7.8の小規模フレアが発生しました。
最新のニュース

2005/ 5/ 7 07:47 更新
C8.5の小規模フレアが発生し、CMEを起こしています。9日に太陽風の乱れが発生しそうです。

担当 篠原

7日1時(世界時6日16時)に758黒点群でC8.5の小規模フレアが発生しました。
長時間にわたってX線が増加するタイプのフレアで、
GOES衛星のX線動画では、太陽面で大規模に爆発が起こっている様子が見られます。
このフレアに伴って、CME(太陽ガスの放出現象)が発生しました(SOHO LASCO C3の写真参照)。
発生源の758群が太陽の中心に近いため、この高速ガスの一部が地球に到達する可能性が高いと思います。
太陽風の衝撃波の地球への到来は、9日の朝以降になると思われます。
太陽風の速度や磁場が急激に高まり、オーロラ活動が活発になったり、磁気嵐が発生する可能性があります。
擾乱の大きさは、衝撃波到来後の太陽風磁場の南向き成分に大きく依存します。
ACE衛星のグラフの速度データとともに、赤線のマイナス成分に注目してください。

756黒点群も6日19時(世界時6日11時)にM1.3の中規模フレアを発生させています。
昨日より、フレア活動が活発化している様です。
こちらは間もなく、太陽の向こう側に消えます。
758黒点群については、今後の活動にも注意が必要です。

太陽風は6日21時(世界時6日12時)に不連続な変化が発生しています。
プラズマの密度(橙色線)が急に増加して、わずかですが速度も急に強まっています。
磁場は5nTから10nTほどに強まり、こちらの変化も目立っています。
ここまでは、北向きに強まっており、磁気圏への影響はあまり見られません。
しかし、今後、南向きに変化すると(変化の気配も見られます)、
オーロラ活動がやや活発になる可能性があります。
速度が遅いので、大きな活動になることはないでしょう。

放射線帯の高エネルギー電子は、現在も警戒ラインを越えたレベルが続いています。

最初に述べたCMEによる太陽風の乱れとともに、コロナホールによる乱れも9日頃から始まりそうです。
両者が重なって、太陽風は大きな変化を示すかもしれません。
しばらく、活発な期間を迎えそうです。



SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

最新映像


SOHO衛星LASCO C3カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

5/ 6 18:18 UT

5/ 6 18:42 UT

5/ 6 20:18 UT

5/ 6 21:18 UT


GOES衛星の太陽X線データ
(c) NOAA/SEC



SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, NICT



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。