宇宙天気ニュース (これは過去のニュースです)

 
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
太陽フレア・磁気嵐・オーロラ活動など、宇宙天気の最新情報をお知らせするページです。

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これまでの経過 (過去のニュースの全リスト)
2004/ 3/ 3 10:54 太陽風は650km/秒と高速です。オーロラ活動がやや活発になっています。
2004/ 3/ 4 11:06 太陽風は高速状態が続いています。高エネルギー電子が増加しています。
2004/ 3/ 5 11:06 コロナホールの影響は弱まり、太陽風の速度は450km/秒へ低下しました。
2004/ 3/ 6 10:35 太陽風の速度は400km/秒まで下がり、磁気圏は静かになっています。
2004/ 3/ 7 06:43 新しい黒点群が小規模フレアを頻発しています。磁気圏は静かです。
最新のニュース

2004/ 3/ 8 10:44 更新
太陽風・磁気圏は静穏です。今日の後半から明日以降太陽風の擾乱が予想されます。

担当 篠原

GOES衛星の観測によると、静止軌道の高エネルギー電子の密度は次第に減少し、
警戒値と言われる10の4乗の線からようやく下がりました(1枚目の図参照)。

太陽風は速度400km/秒以下が続いています。
磁気圏もたいへん穏やかで、オーロラ活動を示すAE指数には全く変化が見られませんでした。
太陽のフレア(太陽爆発)活動は低下していますが、
黒点の570群が発達しており、中規模のフレアを起こす可能性があります。

これから、太陽風の磁場構造の境界であるセクターの切り替わりがやってきます。
具体的には、太陽風の磁場の方向が「太陽から地球向き」から「地球から太陽向き」に切り替わります。
今日の2枚目の図をご覧下さい。
太陽(赤丸)の周りに広がる、色分けされた磁場構造は反時計回りに27日周期で回転しています。
地球(青丸)の位置を見ると、もうすぐ桃色から黄色に変わりそうです。
この現象そのものに磁気圏を乱す要素はほとんど無いのですが、
この切り替わりに伴って、太陽風に乱れが現れることがあります。

特に、今回の切り替わりでは、その直後にコロナホールによる高速太陽風がやってきます。
太陽の同じ位置が地球を向いていた27日前のデータを見ると、
両者に挟まれる様に、太陽風の磁場が急速に強まる現象も観測されています。
(ニュース左の「27日周期」の図をご覧下さい。
図の2/10以降の変化が、27日前の太陽風と磁気圏の様子を示しています)

今後の予想ですが、
今日の後半から明日以降、太陽風磁場が急に強まり、磁気圏が大きく乱れる可能性があります。
そして、明後日頃から太陽風の速度が非常に速くなります。
磁気嵐やオーロラ活動が激しくなるなど、乱れた状態が5日程度続く可能性があります。

SOHO EIT284カメラの太陽画像で、今日と27日前のコロナホールを比較してみます。
コロナホールの位置はほぼ同じですので、高速風の開始時期はほぼ予想できるでしょう。
しかし、コロナホールそのものを比べると、前回よりもより濃く、はっきりと見えています(特に左半分)。
あるいは、前回以上に激しい高速風が地球にやってくるかもしれません。



GOES衛星による、静止衛星軌道における高エネルギー電子の変化
(c) NOAA/SEC


磁場のセクター構造。桃色は太陽から地球向き、黄色は地球から太陽向き。
(c) CRL


SOHO衛星EIT284カメラの映像
(c) SOHO (ESA & NASA)

3/ 7 19:06 UT

2/ 9 19:06 UT


SOHO衛星のMDIカメラによる太陽黒点
(c) SOHO (ESA & NASA)



ACEが観測した太陽風の磁場(1番上の枠、白線は全体の強度、赤線は南北成分)
および、太陽風の密度(3番目の橙線)、速度(4番目の黄線)
(c) NOAA/SEC



リアルタイムAE指数
下段のAEグラフの値が高くなると、オーロラ活動が活発化しています。
(c) 京都大学, CRL





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篠原 学( [email protected] )宛てお知らせ下さい。