宇宙天気ニュース
2003/11/ 7 16:06 作成
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
担当 國武
過去のニュース
(1)惑星間空間衝撃波が到着。規模は大きくない。
ACE衛星によると、日本時間11月7日4時20分(世界時6日19時20分)頃、
惑星間空間衝撃波が観測されました。
これは、日本時間11月5日4時29分発生の巨大フレア(太陽爆発)に関連し
たものと思われます。
ACE衛星の太陽風観測データでは、速度に450km/sから570km/sへの増加が
見られますが、これは変化としては比較的小さなものです。太陽風磁場
強度は5nTから10nT程度に、増加しました。磁場の南北成分は5nT程度の
南向き成分にしかなりませんでした。この衝撃波通過後、大きな地磁気
擾乱には発達しませんでした。
太陽風磁場強度はしだいに弱くなって、日本時間7日14時現在、5nTです。
南北成分は日本時間7日10時頃から、ほぼ北向きです。太陽風速度は日本
時間14時現在560km/sですが、太陽風磁場が現在北向き寄りになっている
こと、太陽風磁場強度が小さいのでその全磁力ぶんが南に向いてもたかだ
か5nTであること、太陽風速度が減少傾向にあることから、このまま静穏
な状態が続くと思われます。
(2)巨大フレアを起こした領域が西没
太陽黒点を見ると、巨大フレアを連続して発生させた大黒点は西に没し
ました。地球から見ると、太陽の赤道付近は約27日で自転して見えます。
約13日後、東端から、この黒点が非常に活発な状態で現れてくるかどうか
が、今後の課題です。
(3)コロナホール
現在太陽の東側にコロナホールが見えています。
11月10日頃、このコロナホールによる地磁気擾乱が予想されます。
コロナホールというのは、高速の太陽風が出てくる領域です。太陽の数回転
の間、存在することがよくあります。そのため、この領域からの高速太陽風
に関連して、周期的に、地球に地磁気擾乱が起きることがあります。これを
回帰性の地磁気擾乱といいます。この周期は太陽の自転と関連していますか
ら、約27日になります。
ACE
(NASA)が観測した太陽風の磁場(1番上の枠)と太陽風の密度(3番目の枠)、速度(4番目の枠)
(c) NOAA/SEC
沖縄の磁場擾乱
(c) CRL
SOHO衛星
(ESA,NASA)
MDIカメラ
による太陽面
(c) SOHO (ESA & NASA)
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篠原 学(
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