10月28日の巨大フレアと衛星・通信障害について
10/31 17:00 磁気嵐の現況について更新
10/31 15:30更新
10/31 13:30更新
10/31 13:00更新
当時「通信総合研究所宇宙天気システムグループ」よりお届けした記事です
10/31 13:00更新
ACE衛星によると、10月31日1時20分(日本時間)頃惑星間空間衝撃波の通過が観測されました。
30日5時37分(日本時間)に領域486において発生したX10の大型フレアによるものと思われます。
これに伴い、地磁気嵐が再度活発化し、気象庁地磁気観測所の地磁気データでは300nT程度の変動を示しています。
通信総合研究所が沖縄に設置した磁力計で得られたデータを下に示します。
静穏日の変化を差し引いた、擾乱成分のみのプロットです。
(c) CRL
世界時30日18時(日本時間31日3時)以降急激に磁場が減少している事が分かります。
変動は世界時30日23時(日本時間31日8時)にかけて、-370nT程度に達しています
これはかなり激しい変化です。
この時刻に北海道陸別で低緯度オーロラが肉眼で観測されたという情報があります。
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10/31 13:30更新
下図はACE衛星が観測した太陽風の磁場の変動です。
一番上の枠の中央付近、世界時30日16時(日本時間31日1時)頃に、磁場の急激な変動が見られます。
この時刻にACE衛星に惑星間空間衝撃波が到達したと考えられます。
(c) NASA
衝撃波到達後、太陽風磁場の強度(一番上の枠の赤線)は20nT〜40nTと次第に強まっています。
そして、磁気嵐の発達に最も効果的な成分である南向き成分(2番目の枠の黄線)は、
衝撃波到達直後から、-20nT程度の南向き成分を6時間に渡って保ちました。
-20nTという数字はたいへん大きなもので、磁気嵐の急激な発達をもたらしました。
磁気嵐の変化については上の沖縄データを参照して下さい。
太陽風磁場南向きの状態は世界時30日23時(日本時間31日8時)頃まで継続しています。
地上で磁気嵐がこの頃まで発達を続けていたのは、この南向き状態が継続したためです。
この後、磁場は北寄りの状態で推移しています。このため、磁気嵐は発達を停止しています。
太陽風磁場の強度(一番上の枠の赤線)を見ると、現在も20nT程度の大きさを維持しています。
また、太陽風速度が現在1200km/秒に達しているというデータが同じACE衛星から得られています。
従って、太陽風磁場が南に変化する事で、磁気嵐が再び活発化する可能性は残っています。
今後も注意が必要です。
10/31 15:30更新
ACE衛星の太陽風の観測が回復しています。
現在、太陽風の速度(上から4番目の枠の黄線)は1200km/秒と大変高速な状態が続いています。
太陽風磁場の強さも(1番上の枠の白線)徐々に弱まって来ていますが、20nTのレベルが続いています。
太陽風磁場は北よりを向いてますので(1番上の枠の赤線が正の値)、磁気嵐の発達は停止していると考えられます。
(c) NASA
10/31 17:00更新
最新の磁場データを示します。
磁気嵐は、31日9時(日本時間)頃にピークに達し、その後緩やかに回復しています。
現在は29日朝の磁気嵐開始前と比較して-100nTのレベルで推移しています。
(c) CRL
ACE衛星の観測によると、太陽風の速度は1100km/秒と依然非常に高速な状態がですが、
ゆるやかに低下しつつあります。
太陽風磁場は強さとして20nTを維持しており、磁場の方向が南に向くことで、
再び磁気嵐を発達させる可能性を残しています。
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篠原 学(
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